2005年4月1日金曜日

カフェ太陽2の説明


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 かつて、「大淀南借家太陽」という民家カフェがありました。太陽は、JR大阪駅、阪急百貨店、阪神百貨店が位置する辺りを梅田の中心地とすると、その中心地からJR貨物場を越えた西側の大淀地区に位置します。大淀地区には、空中庭園のある梅田スカイビルがそびえ立っていて、太陽はちょうどそのふもと。道路一本隔てた南側にある民家で、ひっそりと運営していました。ふだんは、ゆっくりとお茶を飲むスペースとして、また、時折のイベント事のときには適度に賑わい場所として機能していました。
 しかし、平成17年2月に、太陽は閉店してしまいます。店主の事情もあって店を閉めることになったのですが、その後、場所がなくなることを惜しむ声が出て、それならば、ということで太陽をよく利用していた数人で場所を維持・存続していこうという話になりました。そして、「大淀南借家太陽2」としてリスタートしたのでした(平成17年4月)。
 太陽2は、カフェですが、たとえばスターバックス・コーヒーをカフェと呼ぶならば、その意味でのカフェとはだいぶ違っていて、ふつうに太陽2を訪れるとたいていの人はその空間が余りに民家そのものであることに驚きます。つまり、カフェっぽっくないのです。
 また、太陽のときは週5日間営業していたのですが、太陽2はさしあたって週末のみの営業でやっています。共同運営者みな平日べつの仕事をしているので、無理して過労になるのもよくないので、できるところから始めようということで、週末のみの営業ということになりました。週末カフェ太陽2。
 借金して店舗を構えて、というふうに考えるとカフェを運営するのはたいへんですが、とりあえずできるところからできる範囲で、というふうに考えると、できなくもない。DiYカルチャーという言葉があります。Do It Yourself. 90年代以降、消費主義的文化に対するオルタナティヴとして浮上した文化的運動ですが、日本語に直すとこれは「草」に相当するのではないかと思います。草野球とか草競馬という意味での「草」。草野球の場合、バットがなければ棒切れで代用すればいいし、場所が狭ければ三角ベースでよい。楽しむために手持ちのものでブリコラージュ。ときにはルールさえ変更する自由度。それでいうと、太陽2は草カフェみたいなものだと思いました。草カフェ太陽2。
 人が集まる場所を作る、という社会学的実験でもあり、草カフェとして気楽にやっているということでもあり。できるかぎり、わけのわからない場所として。